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BLS部会紹介

心肺停止とBLSの有効性

1年間でどれくらいの方が心肺停止で病院に運ばれているの?

救急隊により全国の救急指定病院に搬送された心肺停止(CPA)の傷病者数は1年間で12万人を超えており,そのうち約半数は急性心筋梗塞や重症不整脈など心臓病が原因である心原生のCPAと報告されています.
CPA; CardioPulmonary Arrest
重症不整脈
重症不整脈

心肺停止になるとどうなるの?

心肺停止が起こると全身の臓器に血液を送ることができなくなり,時間経過とともに各臓器が虚血(血液不足)により壊死(細胞が死んでいく)を起こしていきます.心肺停止から1分が経過するごとに救命率は7-10%ずつ低下していくことが報告されており,このため心肺停止から10分間の間に有効な手立てができなければ救命の可能性はほぼ見込めなくなります.一方で救急要請から救急隊の現場到着までの時間は年々延長しており総務省消防庁の報告では2014年は平均で8.6分でした.

救命率を上げるにはどうすればいいの?

CPAは病院の中だけで起こるものではなく,皆さんの職場や学校,街中や観光地など,どこででも起こりえます.救命率を上げるためには救急隊や医療従事者による高度な処置を行う前に,その場に居あわせた人が応急手当てを行う必要があります.これを一次救命処置(BLS)と呼び,心肺蘇生法(CPR)と除細動(電気ショック)がその柱となります.BLSを行うことで,心肺停止から1分が経過するごとに下がる救命率を3-4%ほど上げることができるとされています.
BLS; Basic Life Support
CPR; CardioPulmonary Resusitation,胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸などを行うこと
院外心肺停止に対する救命の連鎖
院外心肺停止に対する救命の連鎖(アメリカ心臓協会の心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドラインより)
 

BLSはどれくらい効果があるの?

一般市民により心肺停止を目撃された心原性心肺停止の傷病者は2014年の1年間で25,255人でした.そのうち約半数の13,679人は一般市民によるCPRが実施され,1,030人が自動体外式除細動器(AED)による除細動を実施されました.その結果,CPRを実施されなかった傷病者11,576人では496人(4.3%)しか社会復帰できなかったのに対し,CPRを実施された傷病者では13,679人中1,476人(10.8%)が社会復帰でき,さらに除細動を実施された傷病者では1,030人中446人(43.3%)と多くの方が社会復帰をされました.
AED; Automated External Defibrillator
当院正面玄関のAED
当院正面玄関のAED

当院における救命処置の講習について

院内BLS講習会って?

院内で起こるCPAに対して,即時の救命処置を行うことを目的に5月から3月にかけて月に2回,BLSの講習を行っています.受講対象は全職員を基本としており,医療従事者のみならず事務職員や栄養部など多岐に渡ります.同時に院内BLSインストラクター養成コースを併設しており,受講者同様に事務職員や栄養部などの職員もインストラクターになり受講者に指導を行っています.職員1人あたりおおよそ2年に1回受講をしています.受講者には心肺蘇生講習会修了証を配布しています.
心肺蘇生講習会修了証
心肺蘇生講習会修了証

院内講習会はBLSだけ?

BLSに引き続いて昇圧薬の投与や高度な気道確保を行い,同時にCPAの原因検索を行うICLSを5月から3月にかけて月に1回開催しており,各病棟において実践的な講習を行っています.
また病棟ICLSインストラクター養成コース,外来領域で外来クラーク,食堂,院内コンビニエンスストア従業員を対象に外来BLS講習会,小児科領域で小児二次救命処置(PALS),心臓リハビリテーション領域でFamily & Friends® CPRコース(心血管疾患患者とその家族に対してのCPRの講習)を行っています.
ICLS; Immediate Cardiac Life Support,CPAに対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生
PALS; Pediatric Advanced Life Support

院内講習の実際は?

BLS講習会では,複数のブースに分かれ少人数制でBLSの基本を学習します.ICLS講習会では,レサシアンシミュレータSimPad版を使用し,変化する脈の有無やモニター心電図波形に対応しチーム医療を行うトレーニングを行っています.
CPRの様子
CPRの様子
除細動の様子
除細動の様子
レサシアンシミュレータと付属機器
レサシアンシミュレータと付属機器

公的な救命処置コースは?

当院では上記院内講習会の他に,日本循環器学会国際トレーニングセンター(JCS-ITC)主催のBLSヘルスケアプロバイダーコースとACLSプロバイダーコース,日本内科学会主催の内科救急・ICLS講習会(JMECC)を開催しています.
2016年度はそれぞれ各1回開催しました.

JCS-ITC九州支部(外部サイト)
JMECC(外部サイト)
ACLS; Advanced Cardiac Life Support,二次救命処置
JMECC; Japanese Medical Emergency Care Course
 

当院BLS部会の歴史

2002年1月に麻酔科医の呼び掛けによりICLS勉強会を開始,各病棟から希望者を募り,患者の変化に最初に接する機会の多い看護師を中心に活動しました.その後,看護師長,主任を中心に「ACLSを広める会(九州大学病院,飯塚病院の医師を中心とした会)」のICLS講習会を受講,有志によりICLS活動を開始し院内講習会を開催しました.以後,講習会のカリキュラム内容・形式を変更しながら活動を発展させ,九州厚生年金病院からJCHO九州病院に改組後の現在も活動を継続しています.当部会は医師,看護師,薬剤師,放射線技師,生理検査技師,臨床工学技士,療法士,栄養部,事務職員の各職員で構成されています.
2017/3 教育研修委員会BLS部会(心肺蘇生講習会運営委員会)
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