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乳腺外科

乳腺外科の紹介

乳腺外科部門は、病理診断科、放射線科、腫瘍内科、緩和ケア科、健診部を含む各科と連携およびご協力頂きながら、乳癌を含む乳腺疾患の治療全般を担当しています。

近年、乳癌は日本人女性の罹患する癌の第一位となり、残念ながら今後もその罹患率は増加の一途を辿ることが予想されています。

当科でも毎年200名以上の方が乳腺の手術を受けておられ、その患者さんの数は年々増加しています(グラフ1)。昨年(2016年)は213例の乳腺手術を行い、その内、172例が原発乳癌の患者さんでした。

多くの癌の治療には外科的な手術療法が不可欠ですが、非常に微細な構造である乳管から発生することが多い乳癌は、発見されたときには既に周囲のリンパ管や細い血管に癌細胞が接触・浸潤していることがほとんどです。したがって、乳癌は、外科的に切除するのみならず全身病と考えて、薬物や放射線も組み合わせて用いる総合的な治療戦略を立てないと、再発や転移の可能性を増してしまう恐れがあります。

当科では日本乳癌学会の定める乳癌診療ガイドラインはもとより、国内外の最新の論文や学会で発表される最新のデータを参考に、患者さん一人ひとりに合った治療方針を決定(テーラーメイド治療)するよう努力をしています。診療は複数の乳癌学会専門医を中心としてチーム医療で行っています。毎週開催されるカンファレンスには、医師・放射線(マンモグラフィー)技師・超音波技師・病理部門・化学療法室・癌看護専門看護師・病棟看護師が参加し患者さんの治療方針について検討を繰り返しています。このカンファレンスにより、個々の患者さんの乳癌に対する標準治療(現時点で、世界で最善と考えられる治療)を検討、決定していきます。

乳腺疾患の代表的な診断法としては、画像診断としては、マンモグラフィー、超音波検査、CT、MRIを用います。しこりや石灰化などの病変を認める場合には、その部分から細胞を採取(穿刺吸引細胞診)したり、組織を採取(針生検)したりすることにより、しこりや石灰化がどのような病気によるものかを顕微鏡を用いて詳しく調べます(病理診断)。当院には常勤の病理診断医および細胞検査技師が複数名在籍しており、迅速かつ正確な診断が可能です。

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乳線手術例数の年次推移

対応可能な治療

1.外科的手術療法

2016年、当科で施行された乳癌手術の内訳です。乳癌172例のうち58例(33%)に乳房温存術(部分切除術)が施行されています。

当院では術式決定においては患者さんの希望を最優先に考えますが、同時に癌を取り残さない事(根治性)を重視していますので、無理をして乳房温存の割合を増やそうとする方針はとっておりません。温存手術は乳房切除術と同等の治療効果が得られると判断された症例に対し、ご希望があった場合に施行しています。

しかしながら、近年の画像診断機器の性能向上に伴い、当科での乳房温存率は増加傾向にあります(グラフ2)。その一方、現在でも、乳癌患者さんの半数以上の方は、やむなく乳房全摘手術を行わなくてはならないことも現実です。乳房全摘手術の場合は下記の乳房再建術を行うことも可能です。

また、腋窩リンパ節に関しては、術前検査で、腋窩リンパ節の転移が疑われない場合には、色素法・蛍光法併用によるセンチネルリンパ節生検(写真1-3)を行います。基本的にセンチネルリンパ節に2mmを超える転移巣を認めた場合のみ、腋窩郭清を追加しています。

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2.乳房再建術について(乳房全摘手術後の患者さん)

乳房を喪失した方の心理的負担を軽減する方法として乳房再建術があります。当科には日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会認定のエキスパンダー責任医師が在籍し、乳房再建用エキスパンダー実施施設に認定されています。適応となる乳癌の進行度等の制約はありますが、ご希望があれば、乳房切除と同時に組織拡張器(乳房再建用エキスパンダー)を留置し、乳房の膨らみを保ったまま再建手術に移行することが可能です。乳房切除術を受けた後の方でも、ご希望があれば、年齢や術後何年経ったかによらず、乳房再建術は可能です。またほとんどの場合は保険適応(例外も有り)となり、自己負担は、医療保険3割負担の方で約30万円程です。

当科では、豊富な経験を有する福岡市内の形成外科専門医と連携し、患者さんのご希望に添えるよう努力をしています。

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写真4 当院と形成外科で協力して行っている手術手技: エキスパンダー(組織拡張器)を用いた乳房再建術

3.鏡視下ハイブリッド乳癌手術(温存手術の患者さん)について

乳房温存術(部分切除術)が可能な患者さんに対して、より高い整容性を目指し、2014年以後、当科でも、九州大学臨床・腫瘍外科、久保真医師が開発した鏡視下ハイブリッド乳癌手術(乳輪外縁に沿っての4cmの小さな切開での整容性の高い温存手術)を導入しています(図1)。適応となる乳癌の進行度等の制約はありますが、2016年3月末までに32例に対して鏡視下手術を施行しています。同手術手技が、安全性の高い手術方法であること、高次元での整容性と根治性の両立が可能であること、を検証し(表1)、2016年3月に開催された第10回欧州乳癌学会(10th European Breast Cancer Conference)1)にて報告致しました。

当科で施行した鏡視下ハイブリッド乳癌手術の術後体表写真(写真5−7)をご覧いただくと、乳癌術後にもかかわらず、高い整容性が保たれていることがご理解いただけると思います。

鏡視下ハイブリッド乳癌手術を希望の方は、水曜日に新患予約(田中晴生外来)をお取りください。

1) Our novel endoscopy-hybrid breast conservation surgery : The pursuit of cosmetic improvement with minimal skin incision.  (EBCC-10, 10, March, 2016. Amsterdam)

H. Tanaka, S. Umeda, S. Murakami, M. Ishikawa, A. Uchiyama

JCHO Kyushu Hospital, Surgery, Kitakyushu, Japan

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4.内分泌療法

 ホルモン受容体陽性の乳癌に対し効果の期待できる、比較的副作用の少ない治療法です。ホルモン受容体陽性の乳癌の患者さんには、手術後に再発予防の補助治療として原則としてホルモン療法を受けて頂いております。

また、ご高齢で手術のリスクが高いと判断される方や、手術を回避したいとお考えの方に対してはホルモン療法による治療から開始し、経過を見ていくことも一つの選択肢としてご相談することがあります。最近、ホルモン療法を手術に先行して行うことの効果について検討がなされ、その効果が幾つか発表されています。一定の条件に該当する患者さんには、今後術前ホルモン療法の選択肢も取り入れていくことが考えられます。再発・転移の見つかったホルモン受容体陽性の乳癌患者さんにも、条件によりホルモン療法は、第一に考えてみる治療法となります。

 5.化学療法(抗癌剤治療など)

 近年乳癌に対しては新たな種類の抗癌剤や副作用の少ない分子標的治療薬などが毎年のように開発され実地臨床で効果をあげ始めています。乳腺外科ならびに抗癌剤治療のエキスパートである腫瘍内科と協議の上、専門スタッフの管理する環境整備された化学療法専用の外来化学療法室で、より安心、安全に治療をうけていただいています。

1)術後補助化学療法 術後再発や転移のリスクが高いと考えられる患者さんに対し、手術後比較的早期に行われる補助治療です。約半年の期間、原則として外来治療で行っています。当科では新しい研究の成果や論文などから、現時点で、世界中で最も効果が高いと思われる治療(標準治療)を選択し、お勧めしております。

 2)術前化学療法 術前診断の時点で、術後に補助化学療法が必要と考えられる進行度または、癌細胞の性質を認めた場合に、適応となります。術前化学療法のメリットとしては、手術に先立ち全身療法を行うため早期に全身治療を開始できること、使用した薬の効果を評価できること、などが挙げられます。

3)進行・再発症例に対する化学療法 進行癌・再発癌の患者さんには、その方の全身状態や必要とする治療の程度を 十分に検討し、効果と副作用のバランスの取れた化学療法のメニューを決定しています。

6.放射線治療

 乳房温存術後には原則として残った乳腺(手術を行った側の乳房)に放射線を照射しています。乳房全摘術を行った場合でも、手術時に多くのリンパ節への転移が認められた場合や皮膚に腫瘍が浸潤していた場合は、術後放射線治療を要する場合があります。放射線治療は、リンパ節転移や皮膚転移が進行した方や骨への転移で痛みを生じた方にも症状を和らげる有効な治療法となります。

7.緩和医療

 残念ながら根治が難しいとされる、乳癌の再発、転移が生じた患者さんでは、疼痛をはじめ、癌の進行に伴う様々な症状が現れてきます。これらの症状を緩和する目的に、当院の常勤の緩和ケア専門医を中心とした緩和ケアチームと連携を取り、主治医とともに様々な緩和医療を行っています。

また、病床数は限られていますが、当院には緩和ケア専用病棟があり、入院治療も可能です。

 8.乳癌検診について

 当院は北九州市指定の乳がん検診(マンモグラフィ併用)実施医療機関に指定されています。頭書のように乳癌は女性にとって最も罹患しやすい悪性腫瘍(がん)です。残念ながら予防法はありませんが、定期的に検診を受けることにより早期発見は可能です。

当院検診部では年間2000人前後の乳癌検診を実施しています。

乳癌検診は、北九州市民で40歳以上の女性であれば、2年に一度、1000円で受診可能です。ただし、70歳以上の方、非課税世帯の方(区役所保健福祉課で受診券を交付(要印鑑))、生活保護世帯の方(区役所保護課で受診券を交付)は無料です。

また、妊娠中及び妊娠の可能性のある方、授乳中の方、卒乳直後の方、乳房疾患で治療中又は経過観察中の方、豊胸手術を受けた方、ペースメーカーをつけている方は、原則、受診できません。

9.セカンドオピニオンへの対応

 セカンドオピニオン紹介は、乳腺外科チームの医師が外来で対応しています。また、当院からセカンドオピニオン希望で他院を受診される際には、当院での全ての検査結果や経過を開示させて頂きます。

当院は北九州地区医療圏(北九州市、中間市、遠賀郡)において、年間200例以上の乳腺手術を行い、乳癌検診施設及び緩和ケア病棟をも有する、唯一の施設です。つまり、当院では、乳癌検診、最新のエビデンスに基づいた乳癌治療、そして終末期医療まで、一貫して行うことが可能です。

病院と縁はないにこしたことはないのですが、少しでも乳腺のことで悩みがあるときはお待ちしています。

2017/4/12 改訂:田中晴生、文責:梅田修洋

 

医師の外来スケジュール

医師の外来スケジュールは、外科外来担当医のページをご覧ください。

スタッフの紹介

乳腺外科のスタッフの紹介は、外科のページをご覧ください。

乳腺外科のトピックス

当院乳腺外科最近のトピックスです。以下の項目をクリックしてご覧ください。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP) (2017年7月)
当院での乳腺悪性腫瘍に対する外科的治療の現況(2012年7月)
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