病理診断科
病理診断科の紹介
病理検査は、マクロ(肉眼的)及びミクロ(顕微鏡的)な病変の観察から適切な診断を行い、適切な治療に貢献すること、また、治療の結果を評価して、今後の医療・診療の進化に寄与することを活動目的としています。診断には組織診断、細胞診断の二つがあります。その対象は、組織診断では生検で小さく採取された組織あるいは手術で大きく切除された組織や摘出された臓器であり、細胞診断では、喀痰や子宮膣部に含まれた病変からの細胞です。また、病理解剖(剖検)では全身を対象に肉眼的観察とともに組織診断します。これら幅広い対象スケールの中を行き来し、また、診療した臨床医の見立てとの整合性を確認しながら診断を行っています。
診療実績
平成31年および令和元年(2019)年1月~12月では、組織診断7,962件、細胞診断10,475件、病理解剖14件、術中迅速組織診322件でした。臨床各科の症例増加を反映し、組織診断、細胞診とも前年より増加していました(グラフ参照)。これらの診断活動を大学、地域病理医と連携しながら行っています。


動向と取組み
がん症例の予後改善が認められる一方で、その経過の中で多重がんの発生等、複雑な病態に遭遇する機会が増えています。各科横断的な診療の必要性とともに、その病態解析・診断において病理検査の役割が増していることが実感されています。がん治療に分子標的薬が登場したこと等を背景とした治療選択面の要請もあり、病理検査はその守備範囲を分子レベルに広げています。必要に応じて免疫組織化学染色検査等を加え、病変の分子的性格を明らかにすることから、より特異的・効果的な治療の選択に繋げています。このため各種染色精度が重要になっており、精度管理の一つとして外部精度評価の認定を受けています。臨床各科とは日常、率直に意見を交換し、また、院内の各種カンファレンスに参加しています。CPC(臨床病理検討会)では、剖検症例の検討から、当院全体で治療活動を振り返って分析しています。当科及び各科の研究・学会活動への参加、協力を行い、多面的な活動を通じて診断精度へのフィードバックを図っています。
この他にも地域病理医との勉強会を定期的に開催し、診断困難例、希少例などを再検討し、日々の診断向上に努めています。
その他
学会施設認定: 日本病理学会、日本臨床細胞学会研修等のご希望は岩崎までご連絡ください。
スタッフの紹介
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医師名 | 本下 潤一 |
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役職 | 診療部長 | |
専門分野 | 病理 | |
資格 | 日本病理学会認定病理専門医、指導医 日本臨床細胞学会認定細胞診専門医、指導医 死体解剖資格 |
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出身校名 | 広島大学(平成13年卒) |
医師名 | 岩崎 健 |
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役職 | 医師 |
専門分野 | 実験病理、皮膚・軟部腫瘍 |
資格 | 日本病理学会認定病理専門医 日本臨床細胞学会認定細胞診専門医 産業医 死体解剖資格 |
出身校名 | 鳥取大学(平成25年卒) |
医師名 | 立石 悠基 |
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役職 | 医師 |
専門分野 | 病理 |
資格 | 死体解剖資格 |
出身校名 | 九州大学(平成20年卒) |
病理検査科のトピックス
当院病理検査科最近のトピックスです。以下の項目をクリックしてご覧ください。診断現況と新しい免疫染色装置の導入(2016年9月)
病理診断科のトピックス(2012年3月)
(最終更新日:2020年4月1日)