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肝胆膵外科の紹介

肝胆膵外科の紹介 | 高難度腹腔鏡下肝切除術・膵切除術 | 肝臓外科 | 胆道・膵臓外科 | 肝胆膵外科のトピックス

肝胆膵外科の紹介

肝胆膵外科部門では胆のう結石症、胆のうポリープ、胆管結石症などの良性疾患、肝癌(原発性肝癌、転移性肝癌)、胆道癌(胆のう癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌)、膵癌等の悪性疾患に対する内視鏡治療および手術を担当しています。初診時に閉塞性黄疸で当科を受診いただいた場合、そこから内視鏡的手技を駆使しつつ診断・減黄(黄疸を改善させる処置)から治療(手術)までを一貫して行います。当部門の特徴として、拡大手術をはじめとする開腹手術と、高難度鏡視下手術を同一のチームで行っているのが大きな特徴です。

 

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グラフ:肝胆膵外科手術症例数

最近の7年間の肝胆膵外科手術症例数を表に示します。特に肝切除術では症例数の蓄積に伴い、専門施設でないと対応が難しいとされる三区域切除・胆道再建を伴う肝葉切除等、術式が多様化してきています。治療は、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・日本内視鏡外科学会技術認定医の双方の資格を持つスタッフが担当し、執刀または指導致します。

高難度腹腔鏡下肝切除術・膵切除術

肝胆膵の悪性腫瘍(癌)の標準手術では、概ね危険性が2~3%とされ、胃や大腸といった他の消化管悪性腫瘍手術と比べリスクが高いとされていますが、十分な経験と技術の目安となる専門医・施設で担当すれば、鏡視下(腹腔鏡)で行っても危険性は開腹術と同等であることが公式に報告されています。

現在では、高難度の肝臓・膵臓の鏡視下手術(下記の下線の術式)を行うには、厚生労働省の施設基準が必要となり、当院はその施設認定を取得しています。
当院での高難度肝胆膵手術(肝切除術、膵切除術)は開腹術・鏡視下手術共に、日本肝胆膵外科学会高度技能医(開腹術の経験の目安)・日本内視鏡外科学会技術認定医(鏡視下手術の経験の目安)の両方の資格を持ったスタッフ(川本および山田)が担当し執刀もしくは指導する体制を取っています。

現在当科で施行可能な腹腔鏡の術式は、
・腹腔鏡下肝切除術:部分切除、区域切除、葉切除(2区域切除)、3区域切除、亜区域切除
・腹腔鏡下膵切除術:体尾部切除(良性、悪性
です(下線は高難度腹腔鏡手術)。

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グラフ:腹腔鏡下肝切除術・腹腔鏡下膵切除術の年次推移

肝切除術の中でも、2区域切除は具体的には右葉切除・左葉切除という右半分もしくは左半分を大きく切り取る術式になりますが、従来の開腹術では上腹部を横断するような非常に大きな開腹創が必要となります。鏡視下手術では、最大でも概ね5~8cmの創で済み、術後の回復のスピードが速く、痛みの度合いが低いことに驚かされます。近年増加傾向にある高齢の患者さんに特にメリットが大きいと考えますが、高難度に分類される術式を安全に行うには高い技術が要求されます。

 

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写真:腹腔鏡下肝前区域切除術(HCC)

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写真:腹腔鏡下肝後区域切除術(HCC)

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写真:腹腔鏡下肝左葉切除術(HCC)


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写真:腹腔鏡下肝左葉切除術後10日目の創部(胃切除後症例)

2019年は全肝切除術中約65%の患者さんに腹腔鏡下肝切除術を施行しました。術式としては部分切除が最も多く、従来では開腹術で行うのが普通であった「前区域切除、内側区域切除、後区域切除、2区域肝切除」等、いわゆる高難度に分類される術式の殆どが鏡視下で施行可能でした。これまでの鏡視下肝切除での最高齢は86歳の患者さん(腹腔鏡下肝右葉切除)で、高度心臓弁膜症でリスクの高い患者さんでしたが、手術時間は約4時間弱、合併症なく術後12日目に独歩退院されました。
現在当科において、施行数の多い腹腔鏡下肝左葉切除術は(開腹歴などがなければ特別急がなくても)開腹術と遜色ない短い時間(約4時間前後)での手術が可能です。今後も益々鏡視下手術の割合が高くなるものと思われます。

肝臓外科

腹部超音波検査・造影ヘリカルCT・造影MRI検査による画像診断、ICG試験・アシアロシンチグラフィーによる肝予備能評価を行い、かつ全身状態の検討を十分に行った上で適応のある症例に対して外科的切除(肝切除術)を行っています。肝切除術では、可能な限り腹腔鏡の適応がないかどうかを第一に考慮しています。当院では2008年からは腹腔鏡下肝切除術を開始していますが、現在は高難度に分類される腹腔鏡下肝切除術・腹腔鏡下膵切除術を安全に施行しています。

肝細胞癌 ウィルス性肝炎・肝硬変を背景肝とする場合が多く、肝予備能評価に加え併存する他の合併症も含めて治療法を検討しています。腫瘍径が3cm弱を超える場合や、近接する脈管への影響・腫瘍の位置のために経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)が 困難な場合、開腹下の担癌門脈灌流領域の切除=系統的肝切除を基本としています。
耐術困難と予想される場合は肝臓内科医により経皮的なラジオ波療法(RFA)、血管内治療(TACE)、全身化学療法などから 患者さんの状態に適した治療法を選択しています。週1回の定期合同カンファレンスで外科・内科・放射線科の専門医師が綿密な討議を行い、治療方針を決定しています。

転移性肝癌 特に結腸・直腸癌によるものでは、外科的肝切除術単独では切除後の早期再発が懸念されます。このため当院腫瘍内科と綿密に連携し外科的肝切除に術前および術後化学療法を組み合わせた治療を積極的に行っています(結腸癌以外の肝転移でも切除の適応となる場合もあります)。転移性肝癌は、背景肝が正常肝であることが多く、肝硬変・慢性肝炎症例と比べて出血を制御し易いと考えられ、積極的に腹腔鏡下で切除を行っています。


胆道・膵臓外科

胆嚢結石症・急性胆嚢炎 基本的に有症状の胆嚢結石症を手術適応とし、腹腔鏡下胆嚢摘出術を第一選択としています。胃切除等の開腹手術の既往がある方に対しても可能な限り腹腔鏡を選択しています。急性胆嚢炎の治療は、急性胆道炎のガイドラインに準じて早期の手術(胆嚢摘出)を基本方針としていますが、発症後時間が経過している胆嚢炎では、軽症例に対しては補液や抗生剤投与といった保存的加療で対応し、重症例に対しては経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)・経皮経肝胆嚢穿刺(PTGBA)を行い状態の改善後、待期的に手術を施行しています。地域的に非常に高齢で、ADLの低下した患者さんが多いことが背景にありますが、2016年より通常開腹術を考慮せざるを得ないような、ガイドラインの適応を超えた高度の炎症例でも、当科が推奨している5ポート法を導入し、バイポーラ・モノポーラによるソフト凝固を併用することで良好な成績を得ています(“急性胆嚢炎に対する5ポート腹腔鏡下胆嚢摘出術の検討”, 日本内視鏡外科学会総会(福岡), 2018)。

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グラフ2:胆嚢摘出術例数の年次推移

胆道癌・膵臓癌 腹部超音波検査、造影ヘリカルCT・MRI検査、MRCP、EUS、更には必要あればERCP下の擦過細胞診・生検・管腔内超音波(IDUS)といった手技を駆使して胆道癌(胆管癌、胆のう癌)や、膵臓癌・膵嚢胞性病変の精密診断を行っています。計週3回行っている内科外科放射線科合同カンファレンスおよび外科定期カンファレンスにおいて厳密に適応を検討し治療方針を決定しています。

○肝門部領域胆管癌:胆道再建を伴う肝切除術を基本としています。特に尾状葉全切除を伴う拡大右肝切除の場合で予定残肝容量が小さい場合、切除側の門脈塞栓術を行い残肝の代償性肥大を待って根治切除を行う方針としています。

○遠位胆管癌:領域リンパ節郭清を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を基本としています。

○膵臓癌:領域リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除術(PD)もしくは亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)や膵体尾部切除術といった膵切除術を行っています。根治性向上を目指して積極的に門脈合併切除再建を併施しており年々その施行率が上昇傾向にあります。

○胆のう癌:漿膜下層(ss)以上の癌で、大きな脈管への浸潤の無く肝への浸潤がある・もしくは疑われる場合は、リンパ節郭清を伴う肝床部切除(拡大胆嚢摘出術)を基本とし、胆管側への進展の程度により肝葉切除術や肝外胆管切除・再建を考慮しています。

○乳頭部癌:胆管炎や黄疸を伴う場合、ERBD(内視鏡的胆道ステント留置)で状態が安定した後に、根治切除として亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を行っています。

○膵臓癌:領域リンパ節郭清を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)や膵体尾部切除術、膵全摘術といった膵切除術を行っています。根治性向上を目指して積極的に門脈合併切除再建も行っています。

○膵低悪性度腫瘍:膵体尾部の膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)やSPN(充実性偽乳頭腫瘍)といった膵の低悪性度の腫瘍に対しては、可能な限り腹腔鏡下膵体尾部切除を選択しています。これまで多数の腹腔鏡下膵切除術を施行していますが、これまで重篤な術後合併症を認めていません。

特に、腹部高難度手術の代表株である膵頭十二指腸切除に関してですが、2018年1年間の手術時間の平均は5時間23分(3時間59分~8時間11分)、平均出血量は358cc(最小50cc)でした(門脈合併切除併施2例含む)。重篤な合併症なく、患者さんはみなさん御元気に退院・転院されました。

これら肝・膵・胆道癌に対しては心臓血管外科のサポートの下、肝動脈・門脈・上腸間膜静脈・下大静脈等の血管処理を伴う切除術や、時に拡大片肝切除に膵頭十二指腸切除を併施する拡大手術(肝膵同時切除:HPD)を行い、根治切除率向上に向けて努力しています。また、治療成績向上に伴い膵頭十二指腸切除後の長期生存例が増加してきており、膵頭十二指腸切除後に発生した胆道癌症例に対しても、積極的に肝切除を行っています。膵頭十二指腸切除後の肝切除は、高度の癒着のため手術困難とされ慎重な判断が要求されますが、当部門では積極的に切除を考慮し、これまで3例の患者さんに拡大片肝切除(うち2例は胆道再建)を行いました。

根治手術の適応を超えた膵胆道系悪性疾患の患者さんに関しては、当院腫瘍内科専門医と連携して化学療法・化学放射線療法の適応を検討し、ERCP下の胆道ステント留置(ERBD)や経皮経肝胆道ドレナージ術(PTBD)、(腹腔鏡補助下)バイパス手術(胆管空腸吻合、胃空腸吻合)を行っています。また化学療法が奏功し、腫瘍の周囲への進展が改善し切除可能となる場合があります(Conversion症例)。手術自体は非常に難易度が高いものとなりますが、十分なインフォームドコンセントを行った上で切除を行っています。

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写真:進行膵癌に対する尾側膵切除・横行結腸合併切除(化学療法後)

初診・再診を問わず肝胆膵領域疾患でお困りの場合がございましたら、チーフ川本は火曜日・木曜日、サブチーフ山田大輔は火曜日、スタッフ中島陽平は木曜日に外来診療しておりますが、火・木以外でも曜日に関係なく御気軽に御連絡いただければ幸甚に存じます。

(文責 川本雅彦)

肝胆膵外科のトピックス

当院における腹腔鏡下肝切除術~高難度手術へ向けて~(2018年3月)
心機能不良例に対する肝切除術(2015年9月)
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