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診療の特徴や詳細情報(循環器内科)

循環器内科の紹介 | 対応可能な治療や検査 | 2018年の診療実績 |  後期研修を希望されるみなさんへ
循環器内科業績(2014年以降)実績データはこちら) | 循環器内科のトピックス

2019年の診療実績

外来

外来は毎日2~3名の循環器内科医が診療を行っています。新患は基本的には医療連携室を通しての予約制です。急患については総合受付 (093-641-5111) に電話していただければ、循環器の急患担当医に直接つながりますので予約は不要です (平日診療時間内)。夜間や土日祝祭日については救急外来担当医が対応し、24時間体制で専門医へ連絡いたします。

2019年の新患患者は1,289名 (前年比+7.6%)、再来患者はのべ10,822名 (前年比+18.7) でした。ご紹介いただいた患者さんはもちろんのこと、これまでかかりつけ医のない初診の患者さんも、当院での診療後は原則としてすべて開業医の先生もしくは近隣病院の先生のもとへ紹介しています。

入院

2019年の入院患者数は1,543名と昨年の過去最大を更新し、711名 (46%) が急患入院でした。在院日数の平均は12.5日 (前年同様)、中央値 [IQR] は7 [4, 15] 日でした。(図1)

 

疾患内訳、短期予後

虚血性心疾患(39%)、心不全/弁膜症(23%)、不整脈/失神(16%)の順に多く、これら三大疾患が全体の78%を占めました。

入院されてきた患者さんの84%(1293名)は自宅へ退院され、171名(全入院症例の11%)がリハビリや治療継続のため他院へ転院されています。高齢かつ複数の併存疾患のため、過去数年間は転院数が増加しています。

緊急/準緊急手術目的で心臓外科に転科された方は15名(前年比-11)でした。また心血管死、非心臓死はそれぞれ38名、16名で、全入院患者数に対する死亡率はそれぞれ2.5%、1.0%でした。(図2)

 

(図1)                       (図2)

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急性冠症候群(ACS)

急性心筋梗塞(AMI)、不安定狭心症、虚血性心肺停止を総称したACSは循環器緊急疾患の中で、もっとも迅速かつ的確な診断と治療が要求される疾患です。2019年には173名の入院がありました。このうちST上昇型心筋梗塞(STEMI)は80名でした。171名(99%)の方に冠動脈造影を施行、158名がカテーテル治療を受けられています。また待機的もしくは緊急バイパス手術も7名に施行されました。来院時心肺停止を除いた死亡は7名(死亡率4.0%)でSTEMI症例に限ると死亡7名(6.5%)でした。この良好な成績は、カテーテル検査/治療や心臓外科手術が24時間体制で可能であるからこその結果と思います。(図3)

冠動脈インターベンション(PCI)

1年間で407件のPCIを施行しました。当院の特徴は、急患患者が多いため緊急PCIの割合が全国平均より高いことです(141件、全PCIの35%)。休日夜間の場合はCCU当直医に加えて、2名の医師が登院して緊急PCIを行っています。80%の患者さんでステントが留置されていますが、例年に比べ若干使用頻度が低いことは、薬剤バルーンの使用増加に伴うものと考えられます。(図4)

(図3)                         (図4)

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末梢閉塞性動脈疾患(PAD)

2018年よりGORE VIABAHNステントグラフト、2019年よりIN.PACT Admiral薬剤コーティングバルーンカテーテル(DCB)、TruePath振動式末梢血管貫通用カテーテルシステムといった新たなデバイスが使用可能となり治療選択が増えてきました。2019年はステントグラフトの使用数は前年の8病変から減少しましたが、その一方で12病変に対しDCBを使用し、追跡段階(2020年1月末時点)で再狭窄なく良好な遠隔期開存を期待しております。

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症例提示

60歳、女性。間欠性跛行を主訴に来院。足首上腕血圧比(ABI)は0.83と低値でした。並存疾患や外来でのCT検査から冠動脈病変の存在も疑われたため、下肢動脈造影に先立ち冠動脈造影を行い冠動脈疾患を否定、そのまま下肢動脈造影を行ったところ、浅大腿動脈(SFA)の中間部から50〜75%狭窄病変が連続し、遠位部で90%狭窄病変を認めていました。長区域の病変でTASC II分類ではC病変ですがDCBを用いた低侵襲治療が可能と判断しました。血管内超音波では中間部のびまん性病変も有意狭窄で治療適応であることが確認されたため、長区域に渡り5.0x150 mmの通常型バルーンを用いて拡張後、遠位部に5.0x150 mmのDCBを用いて拡張を行いました。この結果ABIは正常化、7ヶ月の時点(2020 年1月末)で再狭窄なく経過観察中です。


N.PACT Admiral
薬剤コーティングバルーンカテーテルjyunaizu6

パクリタキセルをコーティングしたバルーンカテーテルで、通常のバルーンカテーテルによる前拡張後の狭窄率が50%未満で重度の血管解離を認めていない病変に適応になります。臨床試験において通常のバルーンカテーテルによる治療と比較して有意な一次開存が示されています。(1年目 87.5% vs 55.8%;p<0.001, 2年目78.9% vs 50.1%;p<0.001, 3年目 69.5% vs 45.1%;p<0.001)

Circ Cardiovasc Interv. 2018;11:e005891

 

心不全

1年間の入院は367名でした。心不全の基礎疾患としては、例年と同様に、弁膜症 (主として非リウマチ性AS、AR、MR)、亜急性/陳旧性心筋梗塞、高血圧性心疾患が三大原因です。
患者さんの年齢の中央値は77歳、3分の1が85歳以上でした。在院日数の中央値は18日(前年比-4日)、25%の方は4週間以上の入院が必要でした。心不全患者さんは、入院患者さん全体と比べると、高齢で重症な併存疾患を有していますが、昨年より平均在院日数が短くなっていることは、近年の多職種チームによる心不全診療への取り組みの結果と考えています。また緩和ケアチームと協力し、心不全緩和ケアにも重点を置いています。
自宅退院は71% (前年は75%)、転院による治療継続が必要な方は22% (前年は17%) でした。院内死亡率は5.2%でした。近年は20%前後の転院率であり、地域連携の更なる構築が急務な領域です。

不整脈・失神

不整脈に対するカテーテルアブレーションは、米国で1989年に高周波アブレーションが報告され、日本では1990年以降、高周波アブレーションに対する治験が開始されました。当院(当時は九州厚生年金病院)においては、山本英雄先生・吉村仁先生が、米国・欧州および国内での施設見学を行い、1992年1月当院での第1症例目のアブレーション(WPW syndrome)が施行され、当院におけるカテーテルアブレーションの歴史が始まりました。1994年に日本で、不整脈に対するカテーテルアブレーションが『経皮的カテーテル心筋焼灼術』として保険償還されると、急速に普及していきました。心房細動に対するカテーテルアブレーションは、1998年に肺静脈入口部周辺の起源の高周波通電により心房細動が消失することが報告され、その後肺静脈を左房から電気的に隔離する肺静脈隔離術(PVI)が考案されてから普及していきました。当院では、2006年度より心房細動に対するカテーテルアブレーションを開始致しました。開始当初はあまり芳しい成績ではございませんでしたが、器材の進歩により(3-D mapping、イリゲーションカテーテル等)成績が向上、2016年以降、バルーンカテーテルによる肺静脈隔離術(クライオアブレーション)も導入され、発作性・持続性を合わせても現在では8~9割の成功率が得られるようになりました。最近では、発作性心房細動で標準的な左房形態の症例に対してはクライオアブレーション、その他の発作性心房細動や持続性心房細動に対しては高周波アブレーションを第一選択として行っています。年間症例件数は120症例前後ですか、徐々に心房細動の比率が上昇しています。

患者さんを不整脈の苦しみから解放するために今後も精進していきたいと思いますので今後とも何卒よろしくお願い致します。

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不整脈植え込みデバイス各論

不整脈植え込みデバイス(ペースメーカ・植え込み型除細動器・両室ペースメーカ・植込み型心電計等)の管理は、デバイスチーム(不整脈専門医・臨床工学技士および看護師からなるチーム)で行っており、基本的な機器管理に関しては院内スタッフのみで完結できる体制が整っています。新規植え込み症例は、全症例、条件付きMRI対応型および遠隔モニタリング機能付きとなっており、遠隔モニタリングに関しては臨床工学技士が中心となって管理しています。

1.  ペースメーカ

現在販売されているペースメーカは全機種条件付きMRI対応型であり、そのため新規植込み症例は全員条件付きMRI対応となります。ジェネレータ交換症例に関しては、ペーシングリードとセットでMRI撮影が可能となるため、元々植え込まれているペーシングリードが遡って条件付きMRI対応の認定がとれたものであればジェネレータ交換により条件付きMRI対応となる場合がありますが、一部の症例に限られ、それほど多くはありません。『リードレスペースメーカ』も、適応であれば植え込みを行っていますが、基本的な機能に関しては従来のペースメーカのほうが優れているため対象となる症例はそれほど多くはありません。ペースメーカは機種によって付加機能が異なり、症例によって適している機種が異なります。そのため機種選定に関しては、植え込みの原因となった疾患や患者さんの日常生活活動度を考慮し、最も適していると考えられる機種を選定しています。

2.  植え込み型除細動器(ICD)

ICDも新規植え込み症例は全例条件付きMRI対応型であり、遠隔モニタリング機能も付いています。また、ペーシングが必要ない症例に対しては、皮下植込み型ICD(S-ICD)の植込みも行うようになりました。ICDも機種によって特性があり。患者さんに適していると考えられる機種を選定しています。

3.  両室ペースメーカ(CRT-D / CRT-P)

低左心機能症例の心機能改善目的で植え込みを行います。致死性不整脈合併症例はICD機能を併せ持つ場合はCRT-Dを、致死性不整脈場合を認めていない症例に対してはCRT-Pを植え込んでいます。新規植え込み症例は、全例条件付きMRI対応型であり、機能的に優れている4極左室リード型のみ使用しています。低左心機能でQRS幅の広い心不全患者のADL改善・生命予後改善に貢献できます。

4.  植え込み型心臓モニタ(ICM)

以前は『植込み型ループレコーダ(ILR)』と言われていたものです。非常に小型であり、植え込み手技も

容易であるため低侵襲で行えるようになりました。また、遠隔モニタリング機能もあり、診断から治療までの移行がスムーズに行えます。イベントレコーダまで行っても診断がつかない失神症例に威力を発揮致します。また、潜因性脳梗塞症例に対する適応もあり、心房細動の検出目的での植え込みも行っています。お困りの症例がございましたらご紹介ください。

5.  MRI撮影

条件付MRI対応デバイスを植え込まれた患者さんのMRI撮影に関しては、原則木曜日午後に行っています。撮影時には、デバイス担当医師/臨床工学技士が立ち会ってデバイスの設定をMRIモードに変更し、撮影中に緊急対応できるようにそばに立ち会っています。そのような体制ですので、残念ながら、現時点では条件付MRI対応デバイスの緊急MRI撮影には対応出来ていません。申し訳ありません。もし、条件付MRI対応デバイス患者のMRI撮影のみの依頼であれば、直接放射線科へご依頼ください。

不整脈植え込みデバイス実績

2019年:ペースメーカ:102(含交換)、ICD:8(含交換)、CRTP/D:14(含交換)、ICM:1
検査室データ
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心臓リハビリテーション

心大血管リハビリテーション処方件数は690件(前年665件)で、内訳は内科561件(前年534件)、心臓外科129件(前年131件)でした。実施延べ件数は9834件(前年10078件)で、内訳は入院患者7627件(前年7955件)、外来患者2207件(前年2123件)でした。今年の処方件数は昨年より増加しましたが、外来患者の延べ件数が微増したのに対して入院患者の延べ件数が減少してしまいました。

内科患者を疾患別にみると、心筋梗塞106件、心不全380件、狭心症11件、大動脈疾患29件、末梢動脈疾患6件でした。心不全患者が全体の73%(前年69%)と増加傾向にありました。また全体の平均年齢は77歳で85歳以上の超高齢者は31%(前年30%)を占めていました。心不全および超高齢者の増加は今後も続くことが予測されます。

2019年の新しい取り組みとしましては、ステージDの末期心不全患者の緩和ケアに多職種でカンファレンスを実施したことです。参加メンバーは心不全チームの医師、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、MSWとがんサポートチームの医師、看護師、臨床心理士でした。心不全チームは2017年から活動を開始しており、心臓リハビリテーションチームのスタッフも多く関わっています。2019年は3名の末期心不全患者に対してACP(意思決定支援)や麻薬の導入について介入しました。最終的に3名とも亡くなりましたが、その中の1名に対しては初めてデスカンファレンスを開催しました。各々が抱えていた苦悩を共有することもでき、緩和ケアについて非常に多くのことを学ぶ機会になりました。

心不全チームはその他にも再入院を繰り返す症例や初発心不全であるが心不全増悪リスクの高い症例などの9名に対して退院支援(介護サービスの調整、退院前カンファレンスの実施)を行いました。2020年はより多くの重症心不全患者に介入できるようカンファレンスの開催頻度や方法を見直していきたいと考えています。

近い将来心不全患者が爆発的に増加する心不全パンデミックが来ることが予測されていますが、当院ではすでにその徴候が見られています。超高齢の重症心不全患者に対して今後もより良い医療が提供できるようチーム一丸となって尽力していく所存です。

(図4)

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循環器内科の後期研修を希望される皆さんへ

当院循環器内科の後期研修のご案内は、循環器内科後期研修プログラムのページをご覧ください。

循環器内科業績(2014年以降)

当院循環器科の2014年以降の業績は、循環器内科業績をご覧ください。

26-29年度 循環器内科 論文和文
26-29年度 循環器内科 論文英文
26-29年度 循環器内科 学会発表
26-29年度 循環器内科 講演会・各種研究会

循環器内科のトピックス

当院循環器内科最近のトピックスです。以下の項目をクリックしてご覧ください。
CHIPインターベーション(2019年4月)
高齢化の進む北九州市におけるST上昇型急性心筋梗塞の現状(2017年10月)
心原性ショックの現状と課題(2017年9月)
長寿社会と循環器救急疾患(2015年6月)
院外心肺停止患者さんの治療-神経学的予後改善のための低体温療法-(2012年9月)
SVC症候群のステント治療(2012年5月)
大動脈弁狭窄症とイノウエバルーンによる大動脈弁拡張術(2012年4月)
不整脈に対するアブレーション治療の現状(2012年2月)
血管インターベンション(2012年1月)
抗血栓薬を服用されている患者さんの診療について(2011年5月)
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