心臓血管外科 後期研修医(レジデント)カリキュラム
Ver.2 (2005.6.6)
研修の基本事項
- 卒後研修2年間を終了したものが対象で、レジデント研修期間は卒後3年目からの3年間である。
- 病院との契約は1年ごとの更新である。
- 3年間のうちの1年間は当院の外科にローテーションして一般外科の研修を行う。
- その一方で当科では当院外科レジデントに対し短期間(最低3ヶ月間)のローテーションを受け入れる。
研修体制について
- 心臓血管外科の入院患者を担当する。上級医とともに手術前の検査データの整理、術前説明、手術、術後管理、退院前の検査、退院時の説明、などあらゆる臨床の局面を経験する。
- 術後管理のための当直を行う。一人で当直する場合もあるが、常に上級医に相談できる体制がとられるようにする。
- 下記の週間スケジュールに従って行動する。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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8:00 | 抄読会 | ||||
8:30 9:00 |
カンファレンス 部長回診 |
17:00 | カンファレンス 部長回診 |
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循環器合同 カンファレンス (ハートカンフェ) |
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- 予定手術は月曜から金曜日まで毎日であり(月曜日は2例)、これ以外にも予定外の手術を行うことがある。
- カンファレンスでは自分の担当する症例のプレゼンテーションを行い、手術の方針について述べる。部長回診においては担当症例の臨床経過および治療方針につき報告する。
- 給与その他の待遇は当院の規定に従う。
研修の目標
基本的到達目標
- 心臓血管系の発生、構造と機能を理解し、心臓疾患・血管疾患の病因、病理病態、疫学に関する知識を持つ。
- 心臓疾患・血管疾患の診断に必要な問診および身体診察を行ない、必要な基本的検査法、特殊検査法の選択と実施ならびにその結果を総合して心臓疾患・血管疾患の診断と病態の評価ができる。
- 診断に基づき、個々の症例の心身両面に対応して心臓疾患・血管疾患に対する手術療法を適切に選択し、安全に実施することができる。
- 心臓血管手術後の呼吸循環動態を理解し薬剤・輸液による循環管理、呼吸管理、感染対策などが適正に行える。
- 患者とその関係者に病状と外科的治療に関する適応、合併症、予後について十分な説明ができる。
- 心臓血管外科修練中の後進の外科医を日常的に指導し、その成果を評価することができる。
- 学術集会での演題発表が行え、医学論文の作成を行える。
具体的目標
項目 | 当科1年次※ | 当科2年次※ | |||
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人工心肺に関して | 人工心肺の原理の理解と手術野における回路の準備MEによる人工心肺回路組み立てと操作の見学、見習い | 実際の回路組み立てと操作 MEとともに行う |
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周術期管理 | 胸腔ドレーン挿入 中心静脈穿刺 心肺蘇生の各操作を習得すIABP、 PCPSの操作および管理が行える |
自分が中心となって心肺蘇生を行える IABPの挿入が行える |
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手術基本手技 | 成人・年長児の開・閉胸 成人・年長児のカニュレーション 血管の露出 静脈グラフト採取 永久ペースメーカージェネレーター交換 |
幼児の開・閉胸 幼児のカニュレーション 血管吻合 動脈グラフト採取 永久ペースメーカー植え込み術 |
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手術 症例数 |
助手 | 第2助手 第1助手 |
90 10 |
第2助手 第1助手 |
80 20 |
術者 | ASD閉鎖術 VSD(I型)閉鎖術 心膜切開術・タンポナーデ解除術など |
2 1 1 |
ASD閉鎖術 VSD(I 型)閉鎖術 VSD(II 型)閉鎖術 心膜切開術・タンポ ナーデ解除術・PDAなど 単弁置換術 |
3 2 2 3 1 |
※3年間のレジデント研修期間中1年間は当院外科にローテーションする。
上記の症例数は平成16年の実績をもとに想定されたものであり年度により変りうる。