研修医からのメッセージ

★★★北九州市医報に投稿している当院研修医のメッセージを転載させてもらっています。★★★

●2021年

研修医1年目の苦い経験を経て 長友 隆寛

202004nagatomo

JCHO九州病院研修医2年目の長友隆寛と申します。この度はこのような執筆の機会をいただき誠にありがとうございます。私は生まれも育ちも北九州市で、山口大学を卒業後に地元北九州の医療に携わりたいという思いが叶い、現在JCHO九州病院で2年間の初期研修をさせていただいております。これまでの約1年半での経験を述べたいと思います。

私が1年目の初めての内科病棟当直を担当したときのことでした(当院では内科ローテートの研修医と内科上級医の二人体制で病棟当直医を担当します)。病棟から、患者さんが意識障害とマンシェットで測定できないほどの血圧低下を認めたということでコールがありました。基本ファーストタッチは研修医が担当することが多いのですが、その当時の私は頭が真っ白になり、なんの対応もできずただ呆然と見守るしかできませんでした。初めての病棟当直ということで、2年目研修医の先生も対応に入っておりましたので、すぐにバイタル確認と気道・呼吸・循環の確保にあたり、全身診察、血液ガス検査を行い、上部消化管出血後の再出血に伴う出血性ショックの診断で、緊急内視鏡が行われました。そのときの2年目の研修医の先生並びに上級医の先生の冷静かつ迅速な対応にとても感銘を受けました。一方でその間、何もできなかった自分の無力感を今でも覚えています。それから1年間はなるべく多くの現場に出向き、様々な経験を積んで少しでも自分の糧にできるよう心がけました。失敗も多く経験しました。深夜に急変でコンサルト内容もはっきり伝えられなかったにもかかわらず、危機を察したOn callの医師が駆けつけてくれたこともありました。指導医や他科医師へのコンサルトについても、要点を明確に、過不足なく簡潔に伝えることの大切さを学びました。今振り返ると本当に指導医に恵まれた環境だとつくづく感じる1年半でした。多忙な日々の中、勉強不足と感じることも多々ありますが、努力を惜しまず学ぶ姿勢を忘れずに、社会に貢献できる医師となれるよう日々精進して参りたいと思います。