研修医の広場2022年

●2022年

1カ月間の地域医療研修を終えて 高木 美緒

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はじめまして、地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院研修医2年目の高木美緒と申します。私は北九州市の出身で、県外の大学に進学しましたが地元の医療に貢献したいという思いから、当院を研修先に選びました。
8月末にこの原稿を書いておりますが、この1カ月間は地域医療研修のため県外の病院で研修させていただきました。研修先の病院は回復期リハビリテーション病床や地域包括ケア病床がメインの病院であり、主に脳血管障害後や整形外科疾患の患者さんがリハビリを行っていました。普段は急性期病院から転院を依頼する立場にありますので、転院先の医療現場で研修できたことは貴重な経験となりました。数カ月のリハビリによって大きく機能回復しもともとのADLと同等の生活を送れるようになる方もいれば、運動機能の改善が難しく車椅子生活になったり、嚥下障害のために胃瘻造設を行ったりという方も多く診させていただきました。特に脳血管障害においては、急性期病院での初期対応が重要だと痛感しました。
病前の生活に戻ることが難しい場合や社会的背景が複雑な場合は、退院調整に難渋することも多くありました。医師、看護師、PT、OT、ST、ソーシャルワーカーなどでケースカンファレンスを重ね、医療・介護サービスの必要度や家族のサポート、自宅環境などについて細かく話し合い、患者さんや家族にとって最適と思われるプランを提案する過程では、やはり疾患だけ診るのではなく全人的に患者さんを診ることの大切さを改めて感じました。また、そういった場面での多職種連携についても学ぶことができました。
学生時代やこれまでの研修期間でこういったことを学ぶ機会は多くはありませんでした。急性期病院ではどうしても疾患の治療が中心になりがちですが、今回得たものを意識しながら、今後も研修を積んでいきたいと思います。最後になりますが、1カ月間ご指導くださった先生方をはじめ、スタッフの方々に感謝申し上げます。

研修医生活1年目を振り返って 川浪 芙美恵

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はじめまして。地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院2年目研修医の川浪芙美恵と申します。
あっという間に研修医の1年目が終わりました。研修医生活が始まった頃は何をするにしても初めてのことばかりで、全く動けない自分を情けなく思う日々でした。2年目の先輩や上級医の先生方が迅速に動きチーム医療を成り立たせている姿に、尊敬の念を抱くと同時に、自分には何もできないという無力感に苛まれていました。研修医としての1年間を振り返って、少し意識を変えるきっかけとなった出来事をお話ししようと思います。
内科ローテート中、心筋梗塞疑いの急患が救急外来に来ているからと手伝いに行くことになりました。救急外来のスタッフの方や循環器内科の先生方が慌ただしく緊急カテーテル検査の準備に動いていましたが、私はただ上級医の先生の後ろでおろおろと状況を見守っていることしかできませんでした。そのとき上級医の先生に「何か自分にできることを探せ」と言われたのです。確かに、一刻を争う事態にも関わらず私が何の役にも立っていないのは事実でしたが、それは経験がないから仕方ないのだと心のどこかで思っていました。経験も知識ない自分にできることとは何か考えながら状況を見渡してみて、そういえばスタッフは皆患者さんにつきっきりで、患者さんが今回倒れた状況についてまだご家族からお話を聞けていなかったことに気づき、お話を伺いに行きました。目の前で患者さんが倒れたためご家族は大変動揺されていましたが、倒れた状況や既往歴などは聞き出すことはでき、得られた情報を共有しました。たったこれだけのことでしたが、少しだけ役に立ったような気がしました。
それからはいつも自分にできることを探すようになりました。最近になって気づいたのは、医師はたとえ何年目になったとしても、よくわからない状況で対処しなければならない場面が結構あるということです。もちろん経験や知識が増えるほど確実にできることは増えていきますが、わからない状況に直面した時に自分にでき
ることを探すことの重要さを知りました。きっかけをくださった先生に感謝しています。
研修医生活も残り1年を切りました。あらゆる状況に対処できるような医師を目指して、日々精進して参りたいと思います。

研修生活を振り返って 赤松 志保

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初めまして。地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院1年目研修医の赤松志保と申します。この度は執筆の機会をいただきまして誠にありがとうございます。研修医になり10カ月が経ち、2年目が迫ってきている中、今までの研修生活を振り返ってみようと思います。

今年4月、コロナ禍の真っ只中に研修生活がスタートしました。必死で勉強して得た国家試験の知識を活かすにも、最初の頃は、点滴・薬の出し方や薬の名前、検査の出し方も分からず、ただただ何もできないことを痛感する日々でした。逃げ出したくなったことも何度もありましたが、同期や上級医、看護師さん、時には患者さんにも支えられながら立ち直り、少しずつ前進しながらここまでやってくることができました。現在は最初の頃とは異なり、仕事の流れを覚えた後の、その一歩先の知識や技術、思考力が求められる段階にきています。自分の勉強不足を痛感しながらも、研修医の今しか教えてもらうチャンスはないと思い、恥を忍んで質問し、調べ、学んでいます。特に今はICUの患者さんを担当しており、人工呼吸器管理、輸液管理、抗菌薬、栄養、鎮痛・鎮静など考えることが多く、この1カ月で数カ月分の経験をしているのではと思うほどたくさんのことを学ばせていただいています。熱心に指導してくださる上級医やレジデントの先生方がいて、そのような経験ができる環境にいることは本当に恵まれており感謝しかありません。その患者さんは依然として厳しい状況が続いていますが、日々の細やかな医療の積み重ねが少しでも状況を良くしていくと信じて毎日向き合っています。

自分の進む道もまだはっきりと定まっておらず悩みはつきませんが、まもなく2年目となり、後輩もでき、ますます甘えられなくなる日々が始まります。自分の将来を見据えながら、知識を蓄え、責任感をもち、少しでも自立できるよう日々精進して参りたいと思います。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。