肝胆膵外科の紹介

診療・各部門

栄養管理室

肝胆膵外科の紹介

当科の特徴は「高い技術力と総合力」です。
肝胆膵領域の癌は、難易度の高い手術が多く、高い技術力が必要とされます。
当科は北九州市内に4つしかない「肝胆膵高度技能修練施設」(=高難度肝胆膵手術を年30例以上施行)の一つであり、
肝胆膵外科学会認定の「肝胆膵高度技能専門医」(=手術動画で高難度手術を行うに足る技術があると認定)が常勤しています。
また、再発率の高い領域の癌であるため、治療には「腫瘍内科医」「放射線治療科医」の協力が欠かせませんが、当院は4名の「腫瘍内科医」1名の「放射線治療科医」常勤しており、日進月歩の化学療法の世界に遅れることなく、最先端の治療を提供しています。(実はこれらの領域の専任常勤医がいる病院は多くありません)
昨今、腹腔鏡手術やロボット手術といった、「低侵襲手術」が隆盛を極めており、当院でも2011年以降積極的に施行していますが、肝胆膵領域の腹腔鏡下手術は難易度が高く、どこの病院でも行えるものではありません。
当科は、肝切除の70~80%を腹腔鏡下に施行しており、2011年の導入以降死亡例は1例もありません。
腹腔鏡率70~80%は国内トップクラスです。
また、北九州市内唯一(2024年現在)の「肝臓:技術認定医」(=内視鏡外科学会が手術動画で技術を認定)が在籍しており、安全でレベルの高い腹腔鏡下肝切除を行っております。腹腔鏡と開腹では、出血量・術後の痛み・回復速度も大きく異なるため、安全が担保できる範囲で可能な限り腹腔鏡手術をお勧めしています。
なお、胆道・膵臓も含めすべての肝胆膵手術で15年間以上術後90日以内死亡0です。当科の手術成績の詳細は以下をご参照ください。(2024年度よりロボット肝切除導入予定です。但し、ロボット肝切除は、腹腔鏡手術ではアプローチできなかった肝背側領域への有用性がある一方、これまで開腹や腹腔鏡手術で使用していた肝切除特有の器具を使用できない、突然の大量出血には対応しづらい、などの欠点もあるため、慎重に導入していく所存です。)

診療実績

【全肝切除総数と腹腔鏡・開腹の割合】

(常に70%以上の腹腔鏡率、2023年は腹腔鏡率84%)

【全膵切除総数と術式】

(尾側膵切除の腹腔鏡率は80~90%)

【膵頭十二指腸切除術の手術時間と出血量の推移(中央値)】

(高難度手術ですが、2023年の出血量は200gを下回りました。門脈再建4例・
動脈再建1例を含みます。年々減少しています。)


【腹腔鏡下胆嚢摘出術総数と手術時間・開腹移行の推移】

2018 2019 2020 2021 2022 2023
手術数 168 166 127 161 155 130
手術時間 96.5 79 79 79 67 68
開腹移行 6(3.6%)

2(1.2%)

3(2.7%) 3(1.8%) 0(0%) 1(1.8%)

(2023年開腹移行理由は癒着です。出血や胆道損傷はありませんでした。手術時間は70分を下回り、出血量もわずかです(測定不能なため記録上は0))

※肝胆膵領域の癌は、大手術で再発率も高いため、特にご高齢の患者さん全てに行ってよい手術ではありません。お一人お一人の事情や考え方をお聞きしながら、最適な治療方法を一緒に考えていきたと考えおります。 

(文責 山田 大輔)

肝胆膵外科のトピックス

(最終更新日:2024年8月7日)