臨床心理室

診療・各部門

臨床心理室の紹介

外来および入院中のこころのケアを担当しています。ゆっくりと時間をとり、患者さんや家族とお話しながら精神的なサポートを提供しています。外来でお会いするか、または病室へ訪室をし、主にカウンセリング(15分~1時間程度)を行い、必要や希望に応じて種々の心理検査を取り入れます。
臨床心理室では、その解決方法を患者さん自身でみつけられるよう、一緒に考えていきます。
※臨床心理室の利用には、各診療科主治医から当室への連絡と院内依頼書が必要です。

介入の方法

  • 心理療法
    カウンセリング、遊戯療法など
  • 心理検査
    認知機能検査(MMSEなど)、発達検査(知能検査など)、性格検査
  • リエゾン
    他職種スタッフへの間接的サポート(カンファレンス参加など)
  • 地域連携
    患者さんや家族からの希望に応じて学校、保育所、ハローワークなど関係機関と情報を共有し、患者さんをとりまく環境に働きかけることによる多面的支援

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介入の対象

  • 心身症としての身体疾患(起立性調節障害、過敏性腸症候群など)
  • 精神および行動の障害(気分障害、不安障害、神経症、抑うつ状態など)
  • 発達に関わる問題(ことばの遅れ、発達障害に伴う社会的不適応状態など)

活動状況

内科、外科、婦人科では、抗がん剤治療の過程で、副作用の出現とともに、不安が高まった患者さんや、長期にわたる入院期間で、心身ともに疲弊し、気分の落ち込みがみられる患者さん、造血幹細胞移植をひかえている患者さん、手術前の不安が強い患者さんなどを中心にカウンセリングや精神状態の評価を行っています。移植をひかえているケースについては、患者さんの精神的な揺れがみられる前から、精神面の特性を把握しておくために介入しているケースもあります。依頼のきっかけとして、医療従事者側が患者さんの状態を心配して依頼するという場合も少なくありません。

周産期では、妊娠、切迫早産、胎児異常、自身の疾患などへの不安や心配などの話題を中心に本人や家族にカウンセリングしています。出産後も必要や要望があれば、継続して行っています。

新生児科(NICU、GCU)では、すべての入院患者さんを対象とし、面会に来られた家族と話をしながら精神的サポートを提供し、必要に応じてカウンセリングを行っています。

小児科では、新生児科の発達のフォローアップのほか、不登校、不安障害などを抱える小児やその保護者を対象に、カウンセリングや遊戯療法などを行っています。

緩和ケア病棟では、入院前の緩和ケア外来受診時から入院以後、看取り期まで患者さんや家族の心理的サポートを病棟の構成スタッフの一員として行っています。ここで対象となる患者さんは、抗がん剤治療や手術といった積極的治療の終結時期にあり、人生の危機的場面として、死と向き合い、限りある時間を意識することになります。その心理過程や反応は患者さん家族共に様々です。限りある時間の中で患者さんが自分らしく主体的に意思決定できるよう外来受診時からサポートを行い、個別性のある対応につなげるために患者情報を得る機会としています。
また、入院中は心理的反応だけでなく、せん妄やうつ症状などの精神症状の評価やカウンセリングも行っています。

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リエゾン活動では、心臓リハビリテーションチーム、糖尿病チーム、がんサポートチーム、認知症・せん妄チームにも加わり、他職種スタッフと連携しながら患者さんの精神面の評価とサポートにあたっています。