診療・各部門
こども医療センターの紹介
病院小児科医の役目は、単に熱や咳・下痢の子どもたちを治療するということにとどまらず、先天的な異状や事故、疾病により手術や、各診療科の垣根を越えた包括的なケアーを必要とする子どもたちの診療が次第に大きな比重を占めてきています。
つまり小児心臓外科をはじめ新生児・小児外科、耳鼻科、眼科、泌尿器、整形外科など、多くの科の専門医たちが、協力して子どもたちの治療に携わる必要があります。そしてわれわれ小児科医は、これら多岐に渡る診療を束ねるコーディネーターあるいはかなめ石としての機能が求められています。
そこで、2004年5月から、子どもための入院施設に「子ども医療センター」という名称を賦し、子どもの健康をまもるための包括的な治療センターを目指しました。
新病院の4階フロアーすべてが「子ども医療センター」、「周産期センター」、「NICU」と母子に関係する部門になっています。
外来や中央診療施設が入る3階屋上部分には広大な屋上庭園が設けられており、春はマーガレット、夏はアガパンサス、そして秋にはキキョウや広葉樹の色づきが帆柱山系の緑に映え、市街地の病院というより郊外リゾート施設といった風情の景観が、どの窓からも楽しめます。
「子ども医療センター」にはプレイルームや院内学級など子どもたちの入院治療中の子ども達を癒し、付き添われるお母様方がより安心して過ごせるような、アメニティーが整備されています。
また5階フロアーには「心臓血管センター」があり、小児循環器科が心臓外科とともに連日多くの重症心疾患の子どもたちの治療にあたっています。さらに集中治療室(ICU)内にも新生児・小児集中治療室(PICU)を設けました。
つまり、新病院では小児の入院設備として、子ども医療センター34床(4床室x6室に二人室、個室7室)に加え、NICU12床+GCU20床、小児循環器科・心臓外科が担当する心臓病の術前術後の子どもたちの用のベッドがおよそ15床、小児集中治療室(約)3~5床をあわせ、およそ70名ほどの重症度の高い小児が入院し治療を受けています。
また小児科と関連の深い「周産期センター」は、おなじく4階フロアーにあり、分娩室・正常新生児室・NICU・GCUとが一体として配置され、運営されています。ここでは胎児から新生児・乳幼児を経て思春期・成人(妊娠)にいたるヒトの成育サイクルにおいて良質な医療環境を提供したいと願いからさまざまな意匠をこらしました。
明るい陽光にあふれた院内学級や、歓声の絶えないプレイルームは病棟の中心的な存在です。病棟から一歩足を進めれば、花壇や植栽が美しく整備された広大な屋上庭園に出ることができ、入院中の子どもたちや、GCUに長期入院中の赤ちゃんもいつでも気持ちよく外気浴をおこなうことができます。