小児外科

診療・各部門

小児外科の紹介

小児外科部門では、主として15歳までのお子さまの外科治療を担当しています。小児外科とはいったいどの範囲の病気を扱う科なのか、という質問をよく受けます。大人の一般外科の領域は現在、細分化され呼吸器・乳腺・消化管・肝胆膵・その他の腹腔内臓器や皮膚軟部組織などを扱います。小児における、これらすべての臓器の外科的な病気を治療の対象とするのが小児外科です。そのため、主に脳神経外科・眼科・耳鼻咽喉科・心臓血管外科・整形外科が扱う病気は対象から外れることがあります。こどもはおとなに比べてからだが小さいばかりでなく,主要臓器が発育の途中にあり未完成かつ未成熟です。加えて、先天的な奇形や胎生期遺残を伴っている場合が多く、そのため、こどもの特質を熟知した上での手術や治療が必要です。また、小児の外科診療の窓口的な役割も担っており、小児科との連携はもとより、産婦人科・新生児科との周産期連携、小児心臓外科・小児循環器科との合併奇形連携、脳室腹腔シャントや腹膜透析カテーテルの留置なども含め、より専門的な外科系各部門・小児系各部門と協力しながら、お子さまの診療にあたります。

過去5年間の手術症例数
2023年新生児外科疾患内訳

食道閉鎖症 4、十二指腸閉鎖 2、肥厚性幽門狭窄症 2、臍帯ヘルニア 1、先天性横隔膜ヘルニア 1、新生児壊死性腸炎 1、絞扼性腸閉塞 1、肛門部横紋筋肉腫 1、尿膜管膿瘍 1

過去5年間の手術内訳

2023年その他手術:

肺葉切除(肺分画症)、後縦隔腫瘍(胸腔鏡)、腹腔鏡下噴門形成、腸回転異常症(腹腔鏡)、胆道拡張症、腸回転異常症手術、高位鎖肛、後腹膜リンパ管腫摘出術、etc…

診療実績

過去5年間の手術例数と主な内訳を表に示しています。
周産期医療においては、産婦人科により出生前診断された場合にはprenatal visitを行い、出生後の赤ちゃんの予測される病態や予後、必要な治療の説明を行っています。出生後はNICU(新生児特定集中治療室)・PICU(新生児小児集中治療室)管理下に新生児科や小児循環器科、小児心臓外科と治療戦略を練り、低出生体重児・超未熟児重症・心奇形合併の赤ちゃんに対する緊急手術や術後管理に対応しています。
胸腔鏡・腹腔鏡による低侵襲治療は積極的に取り入れる方針をとっており、当科で過去に経験のある内視鏡手術は別表に示した通りで、あらゆる可能性を考えています。鼠径ヘルニアに対するLPEC(腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術)は性別や年齢を問わず行えます。様々な胸郭変形を有する漏斗胸・鳩胸に対する胸腔鏡Nuss手術、食道裂孔ヘルニア・胃食道逆流に対する噴門形成術、重症心身障がい児に対する胃瘻造設術も腹腔鏡で行います。

経験のある内視鏡手術

胸腔鏡手術 腹腔鏡手術
肺切除術(嚢胞性肺疾患、肺分画症) 胸骨後ヘルニア手術 虫垂切除術
漏斗胸Nuss手術・鳩胸手術 ヒルシュスプルング病手術 中間位・高位鎖肛手術
食道憩室切除術 消化管穿孔手術 肥厚性幽門狭窄症手術
食道延長術 胃瘻造設術 噴門形成術
横隔膜ヘルニア手術 胆嚢摘出術 脾臓摘出術・脾臓固定術
横隔膜縫縮術 腸回転異常症手術 メッケル憩室・重複腸管手術
腹部停留精巣手術 精巣静脈瘤手術
卵巣嚢腫核出・茎捻転解除術 腹腔内腫瘍手術
横隔膜ヘルニア手術 腸重積症手術
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(文責:上村哲郎)

医師の外来スケジュール

医師の外来スケジュールは、外科外来担当医のページをご覧ください。

スタッフの紹介

上村哲郎 医師名 上村 哲郎
役職 副院長 診療部長
専門分野 小児外科、一般外科
資格 日本外科学会専門医
日本小児外科学会専門医
日本周産期・新生児医学会認定外科医
日本小児外科学会評議員
医学博士
出身校名 九州大学(昭和62年卒)
医師名 鳥井ヶ原 幸博
役職 医師
専門分野 小児外科、一般外科
資格 日本外科学会専門医
日本小児外科学会専門医
出身校名 九州大学(平成23年卒)
医師名 松本 匡永
役職 医師
専門分野 小児外科、一般外科
資格 日本外科学会専門医
出身校名 名古屋市立大学(平成30年卒)

小児外科のトピックス

当院小児外科最近のトピックスです。以下の項目をクリックしてご覧ください。

(最終更新日:2023年3月2日)