心臓リハビリテーション科

診療・各部門

診療科紹介

心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーションは心臓病を持つ人が体力を回復し、再発を防ぎ、生活の質(QOL)を向上させるためのプログラムです。「心臓に負担をかけずに安全に運動できる体づくり」 が主な目的で、各専門スタッフから運動療法・栄養指導・日常生活指導などを受けます。

心臓リハビリテーションの効果

①心肺機能の向上
運動することで心臓と肺の働きが強くなり、「少しの運動ですぐに息切れする」状態を改善します。

②心疾患の再発・死亡リスクの低下
心筋梗塞・狭心症・心不全の再発率の低下および心疾患による死亡率を2030%低下します。

③血圧・コレステロール・血糖値の改善
動脈硬化の原因となる、高血圧・脂質異常症・糖尿病を改善します。

④筋力・体力の向上
長期間の入院や安静による「筋力低下」を改善し、「下半身の筋力」が強くなることで、歩行や日常動作が楽になります。

⑤生活の質(QOL)の向上
日常生活での不安が減り、自信を持って動けるようになります。
社会復帰(仕事や趣味への復帰)をサポートします。

⑥精神的な健康の向上
心臓病を経験すると「また発作が起きるのでは?」と不安になりますが、適度な運動は「幸せホルモン(セロトニン)」を増やし、ストレスを軽減します。

対応可能な治療

✔急性心筋梗塞 ✔狭心症 ✔慢性心不全 ✔大血管疾患(急性大動脈解離)
✔末梢動脈閉塞性疾患 ✔心臓外科術後  ✔経カテーテル大動脈弁置換術後
※心臓リハビリテーション開始日より150日間は健康保険が適用されます。
医師が必要と判断した場合には、その後も継続することもあります。

診療実績

2024年1月~12月までの心大血管リハビリテーション処方件数は722件(前年661件)で、内訳は内科549件(前年480件)、心臓外科135件(前年181件)件でした。実施延べ件数は9141件(前年8198件)で、内訳は入院患者7930件(前年7081件)、外来患者1211件(前年1117件)でした。内科患者は平均年齢79歳、疾患別にみると心筋梗塞115件、心不全388件、狭心症28件、大動脈疾患14件、末梢動脈疾患4件でした。

診療科の特徴

入院早期から病気の状態に合わせて体力向上のため運動療法を開始し、栄養指導や服薬指導、生活指導などを受けて退院します。退院後は日常生活能力の回復や社会復帰に加え、再発予防のため有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動療法を中心とした外来心臓リハビリテーションを実施しています。一度、心臓の病気になると再発や増悪を繰り返すことが多く、病気とうまく付き合っていく必要があります。入院中に色々な指導を受けて帰っても、自宅に戻ってからでは環境や食事、活動量は大きく変化します。患者さんそれぞれの問題点を一緒に考え、体調管理や運動を定着できる様にサポートします。