心臓リハビリテーション科

診療・各部門

診療科紹介

入院中は循環動態の悪化や不整脈の出現に注意しながら早期離床と身体機能の回復を目的とした運動療法を実施しています。退院後は、日常生活能力の回復に加え、QOL(生活の質)の向上、さらには疾病の再発・増悪防止を目的に、有酸素運動、筋力トレーニングを中心とした運動療法と栄養指導・服薬指導・生活指導・心理カウンセリングからなる包括的な疾病管理プログラムを提供しています。プログラムの運営には医師だけでなく、専門的な教育を受けた看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床心理士などの多職種の医療従事者が参加し、カンファレンスにより情報の共有化を図りながら、質の高いチーム医療を提供しています。有酸素運動を行う機器として自転車エルゴメーターを3種類揃え、患者さんの体力に合わせて選定し実施しています。また1周60mのウォーキング専用のトラックを備えています。運動中は心電図モニターを装着し、心拍数をリアルタイムに確認できる専用のテレビ画面を用いています。

対応可能な治療

急性心筋梗塞、狭心症、開心術後、慢性心不全、大血管疾患、末梢動脈閉塞性疾患、経カテーテル大動脈弁置換術後の心臓リハビリテーション

診療実績

2022年1月~12月までの心大血管リハビリテーション処方件数は676件(前年799件)で、内訳は循環器内科533件(前年592件)、心臓外科143件(前年181件)でした。実施延べ件数は8104件(前年8229件)で、内訳は入院患者7222件(前年7552件)、外来患者882件(前年677件)でした。
内科患者を疾患別にみると、心筋梗塞108件、狭心症14件、心不全390件、大動脈疾患18件、末梢動脈疾患3件でした。全体の平均年齢は88歳で、そのうち心不全患者は73%を占めています。

診療科の特徴

近年心臓疾患患者は80歳以上の高齢者が著明に増加してきており、日常生活はなんとか行えるが筋力や心身の活力が低下した状態に陥るフレイル(虚弱)の方が多数存在します。心臓リハビリテーションではこのフレイルの改善を目標とし、筋力強化を中心とした運動メニューや生活指導で改善を図っています。また、高齢者増加とともに認知症も増加します。認知症になる前の段階として軽度認知障害(MCI)があります。この段階では生活習慣を見直すことで認知症へと進行することを予防できると言われています。リハビリテーション開始時にはスクリーニング検査を行い、評価・指導を行っています。