診療・各部門
ICT(インフェクション コントロール チーム)
ICTとは
ICTは、病院内で起こる様々な感染症から患者さんやご家族、職員の安全を守るため組織横断的に感染防止対策の検討・実施を行っています。メンバーは、28名で、ICD(Infection control doctor)と3名のICN(Infection control nurse)を中心に、検査技師、薬剤師、事務職など多職種で構成されたチームです。
活動は多岐にわたり、週1回の環境ラウンドをはじめ、感染予防策が遵守されているかを確認するために各診療科の回診へ参加、耐性菌の発生状況や手術部位感染、血流感染等のサーベイランスなどを行い感染症の集団発生予防に努めています。また、抗菌薬適正使用の推進にも取り組んでいます。これらの活動は毎月開かれるICTミーティングや院内感染対策委員会で報告され院内での情報共有を図っています。また、地域の複数の病院と合同カンファレンスや相互ラウンド等を実施し、感染防止対策における地域連携活動の推進にも取り組んでいます。
主な活動内容
- 院内の感染症発生状況の把握
- 定期的な院内ラウンド、ミーティング
- 院内感染対策マニュアルの作成・改訂
- 医療関連感染サーベイランス
- 細菌の分離状況把握とフィードバック
- 医療関連感染発生時の対応
- 抗菌薬適正使用に関する支援活動
- 感染予防対策に関する教育・啓発
- 職業感染防止対策
- 感染防止に関する相談対応と指導、教育
- 院内における広報活動
- 地域連携病院とのカンファレンスと相互ラウンド
1.ICTミーティング(毎月)
毎月開催されるICTミーティングで、院内の感染症発生状況、耐性菌検出状況、ラウンドの結果、抗菌薬使用状況などの情報交換を行い、感染対策上の問題について話し合います。
2.抗菌薬適正使用(毎週)
週に1回適切な抗菌薬の使用について検討しています。対象患者は、カルバペネム系抗菌薬投与患者、抗MRSA薬投与患者、抗緑膿菌薬投与患者および血液培養陽性者です。ミーティングでは、症例検討、抗菌薬使用状況の把握と適正使用の啓発、介入、その他、感染症治療に対する相談・アドバイスなどを行います。
3.環境ラウンド(毎週)
週に1回、多職種で構成されたチームが病院内全体をラウンドし、医療廃棄物の廃棄方法、滅菌物の管理状況や手指衛生や防護具の着脱などの標準予防策の遵守状況をチェックし、問題点は現場の職員と協議して改善に繋げています。
4.職員教育
全職員に対して、正しい手指衛生の方法、手袋やエプロンの正しい着脱方法などの教育を行っています。また、感染対策のトピックスや感染予防の基本は研修会を通じて広報しています。感染の防止には院内全体での知識・情報の共有が重要です。年に2回開催される全体研修会は、職員全員が参加できるように、1つのテーマに対して複数の日、複数の時間帯で研修会のスケジュールを設定しています。
5.地域連携
感染対策向上加算1施設として、地域医療機関(感染対策向上加算3施設)と感染に関する合同カンファレンスを主催します(年4回)。カンファレンスでは、全員参加型のミニレクチャーや抗菌薬の使用状況、耐性菌分離状況、手指消毒薬の使用状況などをテーマにディスカッションします。また、専従看護師は連携している感染対策向上加算3の医療機関に赴き、院内感染対策等に関する相談や助言を行います。また、地域医療機関(感染対策向上加算1施設)との相互ラウンドによる改善に向けた活動や転院先への耐性菌等の感染情報の提供も行います。
<ICTメンバー>
医師
8名(ICD1名)
看護師
6名(ICN3名)
臨床検査技師
3名
薬剤師
3名
理学療法士
1名
放射線技師
1名
臨床工学技士
1名
栄養士
1名
事務員
3名
清掃委託業者
1名