産婦人科

診療・各部門

栄養管理室

産婦人科の紹介

産婦人科医不足による産婦人科診療施設の減少のなかで、北九州市では地域の医院、クリニック、病院が役割を分担して密接に連携をとり,より良い医療を効率的に提供するシステムを構築しています。当科は、高度で,専門的な産婦人科医療を遂行する地域支援型病院の責務を担っています。

当科の診療の柱は、1)婦人科腫瘍(特に悪性腫瘍)の治療 2)周産期医療 3)産婦人科救急医療です。

  1. 病院が癌診療拠点病院に指定され、婦人科もその一翼を担っています。子宮癌,卵巣癌などの診断から治療までを専門的に行います。手術療法,放射線治療(治療専門医が治療します),および化学療法を中心に集学的な治療を行っています。平成29年度より腹腔鏡下子宮体癌手術も開始し、令和三年度より腹腔鏡下子宮頸癌手術も行えるようになりました。もちろん,良性腫瘍の手術(鏡視下手術を含む)やホルモン治療も行います。
  2. 地域周産期センターの指定を受け、ハイリスク妊娠の管理を中心に診療しています。特に,NICU(新生児集中治療室),麻酔科、小児外科、および心臓外科と連携し,胎児疾患の診療を行っています。最近、先天性心疾患を有する胎児症例が急増し、他地域の大学病院や総合周産期センターからの紹介も増えています。
  3. 当直体制を堅持しており、24時間体制で救急対応しています。紹介の救急患者はできるだけすべて受け入れできるよう目指していますが、ベッド不足や、急患対応中などでご迷惑をおかけしています。産業医科大学産婦人科と連携をとりながら、対応しています。

当科での診療は、チーム医療を基本としています。入院患者さんの診療方針はすべて、カンファレンスに諮って決定されます。そのために、外来患者の入院前カンファレンスや入院患者カンファレンスを毎週行っています。また、入院患者さんに関しては、川上、西村をチーフとする2チームにそれぞれ担当医となる医師,レジデントを配属して診療を行っています。各チームはチーフのもとで毎日回診、症例検討を行っています。この制度は、診療の質の向上だけでなく、レジデントや初期研修医の教育の面で実をあげています。

対応可能な治療

1.婦人科疾患の診断、治療

検査
超音波断層法、ドプラー法、CT診断, MRI診断、コルポスコープ、細胞診、病理組織診断(術中迅速診断を含む)、腫瘍マーカー,子宮卵管造影など。

治療

        • ロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)(子宮全摘出術に対応しています)
        • 腹腔鏡下手術(早期子宮体癌、早期子宮頸癌、良性卵巣腫瘍、異所性妊娠、子宮筋腫)

(子宮頸癌や子宮体癌に対する腹腔鏡手術を保険適応で行うには、「腹腔鏡手術手技に十分習熟した日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医が常勤であること」などの条件を満たした施設認定が必要です。当院はこの条件を満たし認定施設となっています)

      • 悪性腫瘍手術―子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、外陰癌、膣癌など(子宮頸癌や子宮体癌は腹腔鏡手術にも対応しています)
      • 良性腫瘍の開腹手術、子宮頸部円錐切除術やレーザー蒸散術
      • 子宮鏡下手術(内膜ポリープ、粘膜下筋腫)
      • 子宮頸癌に対する放射線治療(外照射、腔内照射――放射線治療専門医が治療します)、化学療法併用放射線治療
      • 化学療法―各癌に対する多剤併用治療、外来化学療法、分子標的治療、免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)
      • 子宮脱に対する腟式手術、コンジローマに対するレーザー療法
      • 子宮筋腫や子宮内膜症に対する各種ホルモン療法など

2.周産期医療

検査
超音波断層法やドプラー法を駆使した胎児診断(特に先天性心疾患)、胎児MRI検査、羊水染色体検査、悪性腫瘍に関連した遺伝子検査など(遺伝子異常に対して、連携する施設での遺伝カウンセリングを推奨しています)

管理、治療

      • 妊娠高血圧症をはじめとする妊娠特有の重症合併妊娠の管理。
      • 心臓や腎臓疾患、糖尿病などの偶発合併症妊娠の管理。
      • 多胎妊娠の管理、発育異常や先天性疾患を有する胎児の周産期管理。
      • 胎児不整脈に対する経母体的薬物投与による治療、胎児腔水症に対する胎児穿刺治療。
      • 早産の周産期管理(当院NICUは妊娠22週以降のすべての早産児に対応できます)。
      • 常位胎盤早期剥離など緊急帝王切開は30分以内に可能です。

3.その他

子宮卵管造影法などの不妊検査、不育症の諸検査と治療。
ヘルペスをはじめとするSTD(性感染症)の診断と治療など。

診療実績

【2022年診療実績】
1)周産期統計
総分娩数 222例――多胎12例、単胎210例――
分娩様式:経膣分娩 100例、 帝王切開 122例
母体合併症妊娠 114例
母体搬送受け入れ数 47例
総出産児数 234例――胎児異常34例、極低出生体重児23例――
2)婦人科手術(2022年)
総手術件数 493件――悪性疾患99件、良性および前癌病変394件――
(1)悪性疾患の手術
子宮頸癌手術 14件
子宮体癌 腹腔鏡下手術 8件
子宮体癌開腹術 28件
卵巣癌手術 28件
(2)良性疾患・他の手術
開腹術 76件
腹腔鏡下手術 146件
子宮鏡下手術  31件
腟式手術 92件

診療科の特徴

産婦人科を受診される皆様へ

当院は地域支援病院をめざし、地域の病院、医院、クリニックと密接に連携を取り、地域一体となって産婦人科診療を行っております。

全国的な産婦人科医師の減少の為、市内で分娩できる綜合病院が減り、効率的な産婦人科診療を求められています。そこで当院は北九州市の中で、産婦人科入院の専門診療と救急に力を注ぐことになりました。“市政だより”でも、また北九州市のホームページでもご案内していますが、外来新患受診には予約と紹介状が必要です。新患受診される方は、まずあらかじめおかかりになっている病院、医院、クリニックの先生に産婦人科の受診予約をとっていただいて、受診時には紹介状を持参してください。これまでに産婦人科受診の無かった方も、是非一度近くの産婦人科を受診され、その先生のご判断で受診が必要であれば、紹介状を書いていただいて、事前に当院の診療連携室で診療予約を取ってください。

再来受診される方で半年以上受診されていない場合は新患扱いとなることがあります。産婦人科外来におたずねください。なお、救急急患は随時受け付けております。受付係りにお申し出ください。

※当院では日本産科婦人科学会が行っている以下の登録事業および研究に参加しています。

※当科ではオプトアウトを用いた以下の臨床研究を行っています。

医師の外来スケジュール

医師の外来スケジュールは、産婦人科外来担当医のページをご覧ください。

スタッフの紹介

20190510_sannhujinnka_drkawano 医師名 河野 善明
役職 診療部長
専門分野 婦人科悪性腫瘍、鏡視下手術
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医
日本がん治療学会がん治療認定医
母体保護法指定医
医学博士
出身校名 九州大学(平成10年卒)
201704川上 医師名 川上 剛史
役職 周産期母子医療センター長
専門分野 周産期医療、超音波診断、鏡視下手術
資格 日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本周産期新生児学会専門医・指導医(母体・胎児)
母体保護法指定医
胎児心エコー認証医
出身校名 福岡大学(平成11年卒)
202104nisimura 医師名 西村 和泉
役職 医長
専門分野 婦人科一般、婦人科腫瘍病理
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医
医学博士
出身校名 九州大学(平成13年卒)
愛甲 悠希代 医師名 愛甲 悠希代
役職 医長
専門分野 周産期医療
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本周産期新生児学会専門医(母体・胎児)
日本産科婦人科遺伝診療学会認定(周産期)
日本産科婦人科学会 女性のヘルスケアアドバイザー
医学博士
出身校名 産業医科大学(平成17年卒)
医師名 村上 孟司
役職 医師
専門分野 婦人科腫瘍
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医
臨床研修指導医
日本がん治療学会がん治療認定医
出身校名 自治医科大学(平成20年卒)
医師名 魚住 友信
役職 医師
専門分野 産婦人科全般
資格 日本産婦人科学会 産婦人科専門医
日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医
日本がん治療学会 がん治療認定医
出身校名 九州大学(平成23年卒)
医師名 安東 明子
役職 医師
専門分野 産婦人科一般
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医
出身校名 福岡大学(平成23年卒)
医師名 池之上 李都子
役職 医師
専門分野 産婦人科一般
資格 日本産婦人科学会産婦人科専門医
出身校名 宮崎大学(平成24年卒)
医師名 東元 孔志
役職 レジデント
出身校名 九州大学(令和2年卒)
医師名 福嶋 恒一郎
役職 レジデント
出身校名 熊本大学(令和4年卒)

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(最終更新日:2024年4月1日)